2001年日本公演 追っかけ日記
文:安部奈穂子
2001年2月25日(日) 大宮ソニックシティー
(バーニング大宮編)
11AMのこだまで西村さんと仲良く東京へ。わくわくわく、高鳴る胸の鼓動。4年ぶりのボブ・ディラン〜。仕事がある西村さんと違い私は一週間家に帰らない。大きなかばんに衣類その他の旅の必需品、泊めて貰う友達への土産、京都名産生湯葉も西村さんが遅刻してる間に購入。そんなことより、6枚のチケット!くるまでに8回は確かめたが車中でもう一度確かめる。談笑しながら、私は母の作ったお握り、西村さんは新幹線名物サンドイッチに舌鼓を打つ。
食後のデザートはストロベリーパイとレモンパイ、これは西村さんから借りた去年のイギリス公演のCountry Pieに感銘を受けて買ってきたものだ。新幹線名物コーヒー(そう、西村さんのテーマはパイに決まったが、私のテーマは各地の名物これで決まりだ!!)と一緒に頂く。ぷらっとこだま万歳!!
西村さんと東京駅で別れて五反田へ。荷物を置き休憩していざゆかん大宮の地へ。埼京線という頼りがいありげな線に乗るが切符が680円もした。思ったより遠いようだ。駅に着き、西村さんに合流しようとTelするも繋がらず、(後から聞けば地下のバーガーキングにいたそうな)軽い物を食べる適当な店も見つけられぬまま何となく会場へ足を向ける。。
会場前ではダフィがいっぱい好奇心で「いい席って、それなんぼですか〜?」と聞いてみる。と、「おねえさん、交換?どこの席持ってるの〜?安くしとくよ。」と熱心にいわれ、ここで「1列目」などと答えたら悪質なひやかしとバレルと思い「やっぱこの席でええわ〜」と走って逃げる。
とはいっても行くあてどなく外も寒いので会場の入れるところで暖をとりつつ、ボブ・ディランファンとはどういう人種なのか観察。増田さんを見つけ、目があってお互い笑顔で「こんにちは」だけ言ってすぐに離れた。
開場したというので入口に廻ると300人以上の人が既に並んでた。ボブの爆発的人気に満足\(^-^)/西村さん達と席で合流、西村姉は知的な美人で超感じが良く、木村さんはオレンジ色のジーンズもまぶしいナイスガイ、少し怪しげな風貌に思わず「ディランファンなんでしょう?」と聞いてしまう。浜松のおそるべきボブファン町田さんもやって来てツアーの始まりと再会を喜ぶ。
本当にボブは来てるのだろうか?このごの及んで自分の幸運が信じられない。とにかく、あとしばらくでボブが歌うのを聴けるなんて、しかもこんな近くで〜。緊張と期待で気が狂いそうになる。西村さんも動揺しているらしい、二人してドキドキして”ああっ”とか”もう、どうしよ〜”とか落ち着かない。
が、なぜか開演が遅れてる模様。トイレに行くべきか迷ってると西村さんが、「セットリストがまだだし、トミーが着替えてないからまだ始まらない」と指摘、なるほど言うとおり!さすが西村、名探偵のような推理!途中で集中力をかいてはいかん!と走ってトイレに行く。
ドアのとこまで帰って来たら歓声が聴こえるやん。スーパーダッシュで席に駆け戻り、なんとかRoving Gamblerの出だしに間に合った。
ああっ、確かにボブ・ディラン〜。かっこい〜。どこからみてもボブ・ディラン。かっこいい〜。ああっ。ボブ動いてる〜。ああ〜、ボブだぁ〜。ああ〜。味わうように噛みしめるようにThe Times そしてDesolationを堪能する。
ああDon't Thinkまでやって下さるのですか〜。ボブはめちゃ調子良さそう、凄くステキ〜。西村さんとボブの素晴らしい歌い方や可愛い動作を目を見合わせて頷きあい賞め賛える。
楽しみにしてたCountry Pieも7曲目に演ってくれ座った状態ではあるが踊り喜ぶ。ただ最近ボブを聴いておらず予習も甘かったため、何の曲か認識するのに時間がかかり淋しさを感じる。4th Streetを一瞬”Released?"かと思う始末・・トホホ。(ほらイントロの例のところで)
その上、Drifter'sのハードな変わりぶりに引いてしまう。それにしても、ラリーは天才!めっちゃギター巧いよ〜。これが人間の指か?ずっとボブの歌だけに全注意を注ぎ込み、どの音がギターの音?って位の私に革命を起こしたよ。しかも、絵本に出てくる王子様的容貌、はっきり言ってステキだ。
Pill-Box終了後(本編12曲+アンコール7曲ということを予習してなかったら短さに泣いてしまったかも)ラリー、トニー、チャーリー、ボブ(デーヴィッドはドラムのところにいる)の4人が横一列に並び無言で見つめてる、ボブについてはニラんでるといっていい表情だ。
「どうやねん?お前ら、よかったんか、よくなかったんかどっちや?」ボブに問い質されてる感じだ。「は、はい。たいへんよかったですぅ〜」小心な私は慌てて立上がり激しく拍手する。他の人達も立上がり所謂スタンディングオベーション。ボブの顔が怖かったからか、「おお、ここは立つとこなのか〜」と素直に受入れたのかは判らない。
感謝と賞賛と愛を充分表現したつもりだったが、ボブの反応はなくぶすっとしたまま引っ込んでしまう。「な、何か私達が粗相でも〜?」怒ってこのままアメリカに帰っちゃったらどうしよう〜と心底びびる。
西村さんは「ああ、これは最近やってるらしいん ですよー」と動じてない。だが、私の心配は杞憂におわり、素晴らしいアンコールセットが7曲あった。すごくよかった〜。大宮は熱心な人が多く、どよめきや悦びの声、曲が判明した時の拍手など気持ちがよかった。ただ踊ってた人は余りいなかったらしい。
後から西村ページの掲示板に”前でカワイイねぇちゃん2人が踊ってた”と報告され、「振り向いてないからカワイイかどうか判らんやんなぁー」と理性的なことを話しあいつつ、「私らカワイイのかも〜」と内心小踊りする。
終演後は挨拶もそこそこ、町田さんと2人速攻帰る。駅までの短い道のり今日の曲目とボブの絶好調ぶりを興奮しながら語り合う。この先”もっと”があるとはこの時はまだ知る由もないのだ。
また埼京線に乗る。当然ながらボブ帰りの人も多い。同じ車両に声高に話す3人組、「俺ら通のファンになるとねぇ」と得意げに話してるが、何故か1曲目をDuncanと勘違いしてる。
でも子供みたいに純粋に今夜のボブを楽しみ夢中になってる様子にかなり好感を持った。(その中の一人、いかにも業界人な風貌の人は、関東圏はもとより大阪、広島等地方でもよくお見かけした。)
2月27日(火) 仙台サンプラザ
東北は燃えているか?仙台編
なんと前日失恋してしまう!!楽しいデートになるはずが、なんてこった!!夜、スリーインワン・ファシリテーターの友達を呼出し(彼のお父さんの事務所に泊めて貰ってるのだ)夜通しのセッション会、終わったのは朝6時前頃。私のバスは新宿午前9時発、寝ないほうが賢明だ。なんだか寒気がするが出発。新南口で仙台行きバスに乗り込んだ。バスの旅は結構楽しく計2時間位眠れただろうか。休憩時間に栃木土産ストリベリーパイ¥600をみつけ、西村さんのことを思い出すも財布を車中に置いてきたので諦める。バスの中は異様に暑く仙台に近付くにつれダルくなってきた。なんか身体がおかしい
斜め前の50才位のカップルがちょっと気になってたが、サンプラザの近くで「ほら、あれあれ」と話してたのでボブおっかけと判明、彼らとも今後いろんな場所で顔を合わすことになる。
仙台到着後、明らかに発熱してると判明、ビタミン大量投与作戦に出ることに決め、駅前の無印良品でサプリメントを購入。
97年にはなかったモータウンカフェに入りたかったが胃が固形物を受入れそうにない。4時チェックインのカプセルホテルにしたことを少し後悔・・・。
フラフラになりながらも時間を潰し、4時ジャストにカプセルホテル・リーブスに入り、熱いお風呂につかり1時間ほど仮眠する。西村さんから無事飛行機に乗った旨メールがきていた。
ギリギリまで寝て電車で会場へ。睡眠とは偉大なものだ。明らかに少し回復している。なんとか2時間シャキッとしてくれたらあとは朝10時迄寝て・・と計画を立てるが、どう考えても熱があるのはキツイ、今夜は大人しく観ようときめ、席で落ち合った西村さんにもそう話す。
仙台はN列目ということで期待してなかったが実は7列目の素晴らしい席、更に西村さんとボブの話をしてたら元気回復。1列目真ん中に吉澤さんを発見、外国人の女性と話してる。渡米中に知り合った人だろうか?
It's Alright,Maは嬉しかった。Shelterも。でも1番のサプライズは勿論,Silvio!!97年には毎晩この曲で楽しんだっけ。今回はしかも”止め”の入った劇的なアレンジ、かっこいい〜。西村さんと2人ぶつかりあって悶え喜ぶ。Alabama Getawayも出ないかなぁ。
Wicked、西村さんは奇声を発し歓んでたが、私の正直な感想は「えっ?これ昨日のDrifter'sと同じやん」だった。だが、アンコールのRolling Stoneはかなり素晴らしい出来で、Forever Youngでは泣いてしまう。
失恋や発熱で無防備になってるのか、ハートの奥の奥までボブが入ってくる感じだ・・・。抵抗できずボブに明け渡してしまう。どうせ失恋するなら今で得したのかも、と思う程の感受性の増大ぶり。
自分を守るために創った心の鎧も今は無力だ、とりわけ今夜のように素晴らしいボブの前では。仙台は予想以上に席もボブも素晴らしかった、が残念な事もあった。立って踊ってたら後ろにいたモッズ風スーツを着た若い男に背中を突かれたのだ。ムカツク〜!
あと、西村さんとさりげに前に行こうとしたら、セキュリティの人に止められたこと。いつか諦めるだろうと思ったが、彼は仕事熱心だった。(だがこの人は礼儀正しかった)もう97年のように前に走ったもん勝ち!なんてことは許されないのか?
西村さんは事あるごとにチャーリーに言及するが、ギターの音は聴こえないし、1人だけ貰われっこ、もしくはStepchildみた〜い、言っちゃ悪いがどうも冴えない(ごめん)。顔もマット・ディロンの方が美しい!と、実はマットファンの私は言いたいのですよ!(ごめん)
そんな事より、美しい会場の3〜4割が空席とはどういう事?仙台放送エンタープライズさん!!前回の印象では、仙台近辺在住のファン+関東圏から仕事をムリクリ早引けしてやって来た(知らんけど)狂ったファンで大いに盛り上がった感があった。
今回、大宮の次だからなぁ・・・。チケットの売れゆきが悪いと次回の来日に響くのでは、といらん心配までしてしまう。でも、ドラムの台にちょこんと座って休憩するボブ可愛いかったなー。
さっさと帰って休みたいのだが、西村さんはどうするつもりだろ?吉澤さんの隣りにいた白人の女の人と一緒に半券を貰い歩いてる。
初めて会う男の人に「原田です」と自己紹介される。西村さんが「すご〜く、いい人」と強調する八王子のデッドヘッズの人かぁ。(後日、彼はデッドヘッズというわけではなく、かなり熱烈なディランファンだと知った。デッドにはボブと共演してたということで興味を持ったらしい。)あと、立見さんと重松さんにもこの時初めてお会いした。
しんどいので晩ごはんは会場前にあったカフェにする。97年にはなかったお洒落な店だ。時代は着々と変わってるなぁ。食欲ないのでサラダとパンだけ、高いけど美味しい〜。
カプセルに帰って悪寒が走る中もう一度熱いお風呂に入り、奇跡的快復を祈りつつ眠りに就く。
2月28日(水)秋田県民会館
(東北は燃えてるか?秋田編)
やったー!熱は下がったようだ。アニマル浜口氏(実はファン)のいう通り、人生は”気合い”なのだ!しかし、昨夜シャンプーがなく石鹸で髪を洗ったので、乾燥した頭皮がボロボロはがれてきてフケみたい・・・一気にブルー入る。手早く仕度して歩いてバス停に行く。西村さんは会社からの電話で少しストレス、その後、昨夜の外国人女性を紹介される。イタリア人でフェデリカというらしい。なんと、昨日の新宿ー仙台バスに乗ってた50才位のカップル(ご夫婦?)もいる。バスで秋田に行くのだろう。
バスはボブディラン秋田公演に行く人がつめかけ(ウソ)満員に近く西村さんとも離れ離れ、退屈だ。ついつい好きだった人のことを考えてしまう。しかも彼は秋田出身、複雑な思いもひとしおだ。もう2度と電話もしない!と宣言してしまったことを少し後悔、また仲良くなったかもしれないのに・・。
いやいや、ダメダメ!彼は私の貴重な時間を無駄にしたんだ、2度と考えるなナホコ!これでいいんだ!!そしてバスの旅は続く。休憩はたった一回、すかさず田舎風味噌焼きおにぎりを買う。美味!異様なまでに!
よく考えたら昨日は朝のモーニングセット+夜のサラダとパンしか食べてない。秋田では名物を食べよう!西村さんが交渉してくれ隣りに座ることが出来た。昨日の曲目メモや西村さんが書いたレビューを見ながら盛り上がる。
4年ぶりの秋田に到着。んん?なんかビルや店がすごく増えてる〜。ここでも時代はチェ〜ンジンと独り呟く。
バスを降りてからフェデリカを囲んで西村さん、そして同じバスに乗っていた今回13回廻るという男の人と喋るが、このイタリア人のお姉さんはヤバイ(決して悪い人ではないが)と判断、係わるまいと決める。
係わりになったらず〜っと面倒みやなあかんようになるかも〜と不安だし、助けられなかったら罪悪感、いつも彼女が気になって結局疲れ果ててしまう。私のように”気にするタイプ”の人間にはキツイなぁ。ダメダメ、私は私のためにボブと追っかけ旅行を楽しむんだから〜。
だが、西村さんは夜行列車の確認をするついでにフェデリカを夜行バス乗り場に案内してあげるという。その後フェデリカと一緒に奈穂子さんの部屋に行っていいですか?と聞かれる。
ちょっと気になるけど、バスで帰るなら荷物置くぐらいいいか、と思いO.K.する。私は、”今回13回行くけど97年にも全部廻り、秋田では Aホテルに泊まってエレベーターでボブに会った”というその男の人と Aホテルへ。
「彼女とはもともと友達なの?」と聞かれ、「え?西村さんのこと?」と咄嗟に応えたら、「えっ?西村位津子さん?How To Followの?」と私が”言っちゃいけなかったのかも〜”、とビビる程のリアクションを返してくれた。この人の名前は判らなかったけど、その後広島のホテルで再びお会いした、ボブには会えたのだろうか。
西村さんの携帯に電話するが繋がらない。部屋番号を留守電に入れ、素早く入浴して本物のシャンプーで髪を洗う。満足。お茶を飲み寛ぐ。嬉しくなるほどいいホテルだ。特に前の日¥3300のカプセルホテルだったので感激。しかもボブと同じ屋根の下〜と喜ぶ。インターネットプランを教えてくれた吉澤さんにも感謝だ。
しかし、待てども待てども西村さん達は来ない。何かトラブル?まさか二人で楽しく遊んでるんじゃ?もう一度電話するが繋がらない。時間の経過と共に段々イライラしてきた。お腹も非常にすいてきた。
もしかして二人でお茶かご飯かしてるのかも。どうして私に電話しない?ドアの前で待たしちゃ悪いとバスルームにも携帯持っていったのに、お風呂も素早く入ったのに。ご飯も食べれず部屋で待ってる私のことは忘れているのだろうか、悲しくなってきた。
やっと電話が繋がったらなんと、今インターネットカフェにいるという。電話するのを忘れてたという。独りで食事と買物に出かけることに決める。西村さんに「えー、私、休めないじゃないですか」と言われるが、もう知らない。
とは言っても、今から観光地に行くのは無理。駅前に出来た美しいビルで秋田の工芸品をみたりお土産を選んだり位だがとても楽しかった。秋田はその他の都市とは違って興味深い。西村さんからTELで吉澤さんの部屋にいるという。
おお、これで問題解決、全ては丸く収まった!きりたんぽ鍋を食べて更に満足。お土産には、なまはげるんるんというお菓子ときりたんぽ、それになまはげ付きボールペンを購入。正に秋田三昧と言えよう。
そろそろホテルに帰ろうかなぁと思ってたら又西村さんから電話、吉澤さん達が出掛けるから早く帰ってこいと言う、しかもフェデリカを今晩私の部屋に泊めてあげてくれませんか?という。
吉澤さんの部屋に、帰った旨伝え自分の部屋に行こうとすると「奈穂子さん!奈穂子さん!」と相変わらずよく通る吉澤さんの声、フェデリカを泊めてあげてくれと頼まれる。
吉澤さんのことは好きだけど、それはイヤ!なんでも、仙台でフェデリカを泊めるはめになり今夜もそうなるかも、と原田さんと二人で危惧してるらしい。「彼女は夜行バスで帰るんでしょ」と言うと「そうなの?」とちょっと安心した様子。西村さんと部屋に行く。フェデリカは吉澤さん達と一緒に行ったのでホッとした。
西村さんに話を聞くと、まぁ煎じつめれば言葉は悪いがフェデリカに引き回されてた感じか。
連絡してくれなかったのも、私の留守電聞いただけで電話したつもりになってたらしい。そうだったのか!!ないがしろにされてるように感じてムカついてたのに。しかも何も食べてなく空腹だと言う。そうだったのか!!てっきりインターネットカフェで仲良く茄子とトマトのパニーニとか4種のチーズのペンネだとかを食べてるんだと思って嫉妬してたのに。
そうとは知らず一人で秋田名物きりたんぽ鍋とか楽しく食べて悪かった。罪滅ぼしに”みさこもち”をどんどん勧めた。これは秋田の”みさこさん”という女性が作ってるおいしいお餅だ。きりたんぽのことは言い出しにくいので自慢できず少し残念。
西村さんと秋田県民会館へ。今日は North Countryがでるでしょう、今日出さないと今回これ以上北国ないも〜ん、などと話しきゃっきゃと喜ぶ。大宮でのように動揺こそしてないが、今夜のコンサートが本当に楽しみだ。
会場前の池(秋田城のお掘?)の照明が美しい、思わず私の写るんですや西村さんの高級そうなデジカメで撮影会。楽しい〜。東北っていいなぁ。開演少し前に会場に入った。秋田にはダフィらしき人は見かけなかった。この地では職業として成立しないのだろうか。
西村さんは隣の人と夢中で話してて面白くない。(今日はジェラシーディ?)しかたないので会場内を見渡したら岩本さん発見! 隣りの人に自分が行けなくなった日のチケットを売りつけようとしてる模様。
ボブ〜!97年秋田公演はとても素晴らしく、だから01年秋田も素晴らしいだろうと非論理的に信じてたがやはり素晴らしかった。
迫力が有り繊細でもあり非の打ち所がない。1曲目は楽しげなDuncanに替わる。そしてMamaだ〜!!うれし〜、ボブの歌はやっぱ胸を打つなぁ。なんか私の右斜め後ろの2人が異様に盛り上がってる。
見るとその内の一人は仙台で立って熱狂的に踊ってた人では?髪が白髪混じりに見えて、てっきり年配の方だと思ってたのだが、実は若い人で頭はおしゃれ染めだった。(その髪から以後私達の間ではブラックジャックの人と呼ばれる。以下BJ)
私は歓んでる人が大好き。しかし、彼らの歓声が気にさわるらしい人たちが彼らに「静かにしろ」と合図を送ってた。今でも、どうかなーと思う。(もっともBJ達が静かになったのは2分位だったが)
しかしそんな事はもとより、2階はガラガラという状況にもめげず、ボブの熱い演奏が続く。アンコールで North Country、思ってた通りになったので笑う。
でも”In the Darkness of My Night”のころには涙ぐんでいた。いつもここでやられてしまうのだ。追憶の情と優しさに溢れる美しい演奏だった。
岩本さん発見。二人で手を振るも気付かぬふりをされる。
西村さんと開演前にボブディラン天使の話をしてた。そう、ボブディラン天使は存在する。そばにいてくれるとボブに関してラッキーになり全てが上手くいく。いてくれないと、来日と転勤が重なったり、録音がばれてDATの液晶部分を壊されたり、せっかく買ったボブのブートを置き引きされたり・・・するかも。
部屋で少し休んだあと、西村さんと一緒に駅まで。何なのかよく判らないが、とにかく秋田らしい鬼の張りぼてと記念撮影、その後大阪に帰る西村さんを無事見送る。ん?岩本さんだ〜。一緒にいるのはあのフェデリカ!!”岩本さん”と声をかけるが露骨に無視される。
部屋に帰ると吉澤さんからTel、ロビーでボブを待ってると言う。私も急きょ参加。ここで立見さんと重松さんに正式に紹介してもらう。原田さん(デッドヘッズというのは誤解でディランファンだ、とこの時知る)とも初めてまともに喋った。
ボブを観るため渡米するような狂った人ばっかり。よく考えたら怖ろしい集団だ。結局ボブは別のホテルでこの日はかすりもしなかったが楽しい一時だった。
朝、空港バスに乗ろうとしてると、「安部さん!」と呼ぶ声。「誰?」と見ると、立見さんと重松さんだった。立見さんは何故か私に「お疲れさまです」と言って下さった。
バスの窓からツアースタッフが散歩してるのが見えた。ちょうどホテルの前あたり。やはりこのホテルか。空港で、秋田名産比内鶏(これは本当に美味しい!)のお弁当と秋田の銘水を購入、全日空機の中で食べる。
3月2日(金)パシフィコ横浜
関東 Shall Explode!横浜編
東京に帰ってきた。例のスリーインワン・ファシリテーターの友人(彼は横浜の日吉に住んでるのだ)に横浜を案内してもらう。最近できたというカレー博物館(めちゃ美味しかった。)に行き、中華街で杏仁ソフトクリーム、ごま団子、中華風蒸しカステラ、海老入りニラまんじゅう等を更に食べる。巨大な肉まんを見つけるも、カレー食べてるのでさすがにちょっとムリ。
美しい中華菓子を土産にと購入。ここでは月餅だけではなく中国4千年の粋をこらした色鮮やかで様々な形の菓子が手に入るのだ。
思わず夢中になり買い漁る。(が、結局大阪まで持ち帰ったのは2ケ)その後みなとみらい方面へ行く水上バスに乗り、なんとかタワーに昇る。凄く高い。お茶してたら黄昏どきの景色まで観ることができた。これで横浜は大体制覇!?
会場に向かう途中、「チケット余ってまーす。ダフ屋じゃありませ〜ん。」と叫ぶ怪しい2人を発見。避けようとしてたら、なんと宮坂さんと吉澤さんだった。チケットを捌くには妙な場所だと思い聞いてみると、向こうに行くとダフィがいるかららしい。
「手伝ってよ」と言われ、「当日券売り場を見てくる!」と言ってその場を立ち去ったが、結局当日券売り場も判らず、もう一度階段昇るのもイヤだったのでそのまま入場した。今日はこのツアー中唯一の独りで観る日だ。大切にして独りを楽しむことにしよう。
美しいIf You See Herの後、 Simple Twist。血の轍万歳!この人のやることはいつも予想外だよ。 おお、大幅な曲目変更!てっきりThis Worldだと油断してたらSilvioが〜。更にかっこいい〜。(このときは「Silvioは今回の定番曲」と思ってたので気楽に楽しんだ。)
不動の7曲目Country Pieもなくなっていた。「今日は休みか」位の認識でHard Rainを堪能する。Lay Lady Lay!!大好き〜。One Too Manyも〜。しかし今日は一人だし21列目でかなり遠いので静かな感じだ。
両隣りはそれぞれ一人で来たらしい40歳前後のムッツリした男性、拍手の仕方やそのポイント等から、かなり思い入れのあるディランファンとお見受けした。
パシフィコは新しくて美しい会場。なんといっても、全会場中照明設備はぴか一!後に葛城さんから聞く話によると、今回の照明担当のクルーは、大変なこだわり派であるらしい。狙った効果が出ずキレてるところを目撃したそうな。
終演後、駅までの長い長〜い(しかもLonesome)道を歩きながら西村さんにTEL。先ず、今どこにいるのかを確認する。コンサート中、誰か帽子を被った人が遅刻して来ていた様子だったし、何と言っても彼女は西村位津子なのだ。
Highway61以降を聴くためにのぞみに乗ってやって来てても誰が驚く?だが意外なことに彼女は大阪に居た。取り急ぎ本日のセットリストを伝え、「今日はまぁまぁ良かった」とだけ言っておく。彼女のような人が来れないのは本当に残念。
3月3日(土)東京国際フォーラム
関東 Shall Explode!東京1
西村さんに明日の新幹線のチケット買っておく!と昨夜確約したものの、財布を開けるとお金がなかった。急遽東京駅前の中央郵便局まで行き(この日は土曜日だったのだ)その後八重洲に戻って金券ショップ、みどりの窓口で指定をとる等してる内、すっかり方向感覚を失ってしまった。(実は2度以上曲がるとアウトな方向音痴)フォーラムのまったく正反対まで来ていたようだ。必死で戻る。時間がなくなったので有楽町の高架下のアンデルセンでパンを食べる。
今日は宮坂さんと小沢さんに挟まれて9列目で観る。始まる前小沢さんがBeatlegをくれた。怖い顔のボブが表紙のツルツルした雑誌だ。うれしい。フォーラムも4年たってもまだまだキレイ。
ボブなんか今までと違う!フォーラムの音響が超良くて、全ての音がクリアに聴こえるから?(そうではなく、ボブが凄くなってるんだと次の日、そして大阪初日で確信する)
Down In The Flood、Tonight I'll Be Staying Here With Youなどうれしい選曲がゾクゾク続く。(メンバーは全員モスグリーンのスーツを着ている。制服支給か?でもケンパーさんのみ見えない)
狂ったような人が隣りにいないからか、ステージから遠いためかこの日も割とクールに観る。遠いと言っても9列目なのだが宮坂さんは巨大な双眼鏡を片時も手離さず、ボブに釘付け状態のようだ。
西村さんに話そうと曲名をメモる。その時は判ってるのでMOWなどと書くのだが後から何のことか判明するのに時間がかかった。しかも暗闇の中、手敷きでメモるので益々よく判らん。小沢さんにも意見を求めるがやはり判らない。結局、悩み抜いた「MT」がWickedだったりする。
しかも、Love-zeroをShe Belongs To Meとずーっと勘違い。情けない・・・。でも、この日ボブ、アンコールのIt Ain't Me Babeで "If〜"って歌いだしてたからなぁ。(そ知らぬ風情で歌い直すボブもかわゆ〜い)本人でも間違うのだ!
この頃から、i-modeでも見れるというHow To Followの掲示板を覗くようになる。「立つ、立たない論争」が盛んな時でちょっと怖い。血気盛んな人達だ。変な事書いて怒られんようにしよう。
私の可愛いP209iSで投稿にチャレンジしてみるが、手もとが狂い、ボブへの熱い思いの丈を綴った文章が全部消えてしまう。必死で打ち込んだのに〜。2度失敗した後、携帯電話を投げつけたい衝動に打ち勝ち、寝る。
3月4日(日)東京国際フォーラム
関東 Shall Explode!東京2
目が覚めたらちょっと雨。友達とお昼にアジア料理を食べ(奢って貰った)、荷物を宅急便で自宅に送り、身軽になって出発!大好きな絵がある喫茶店に行くためわざわざ原宿まで行ったが、別の店にかわってた。ショック。あの絵はもう観れないのか。駅の側に緑がいっぱいの巨大な公園があったので取り合えず入ってみる。
広いと思ったら、明治神宮だった。あのお正月に中継されるところか〜。広すぎて戻るのが嫌になってきた。時間も微妙になってきたので近くにあった駅から電車に乗ることにする。
だが、この線は知らない所か、新宿方面にしか行かない私鉄だと判る。面倒臭いので新宿に出て山手線に乗ることに決めるが、西村さんとの待合せ時間に間に合わなくなった。現地集合になる。
西村さん、宮坂さんと一緒の15列目。4年前フォーラムだけは45列目位しか取れなかったので、かなり満足。メンバーはワインレッドのスーツ。モスグリーンと2着作ったのか。
すっかり馴染んだDuncanに、驚くなかれ!Song To Woody登場!!かっこいい!その後も続々繰り広げられる驚異の初出曲の数々!6日目にしてこれか〜!もう世界はボブについていくしかない!!!
Seeing The Real You At Lastで西村さんが大喜び。腕を振り上げ、奇声を発して恍惚の境地のようだ。見渡す限りこの曲で喜んでるのは、西村さんと、あと一人舞台向かって右の前の方に座ってた(というか、立ってた)おじさんだけだ。しかし彼は全ての曲に対して熱狂的で、まるで和太鼓を叩くような動作で抑えきれぬ歓喜を表現していた。この人になら譲れる!と思う。
Johanna 、続けてJohn Brownかー。それは凄い!John Brownのお陰でこの後’認識’という言葉が流行る。う〜む、インパクトのある歌詞だ。好きなので嬉しかった初Memphis、何度でも演って欲しい Forever Youngを経て、この日も無事(そして素晴らしく)終了。
原田さんグループとお茶する西村さん達と別れ町田さんと東京駅へ。結構遠い。浜松に帰る町田さんとはすぐに別れ、私は土産物を物色。東京バナナか銀座のイチゴか真剣悩む。お弁当は深川めししかないでしょう!
西村さんと車中で落ち合い、食事。深川めし(内容は、どじょうの蒲焼き、浅蜊御飯に奈良漬みたいなお漬物・・・推定)のお陰で東京名物は制覇!
心残りは仙台だ。吉澤さんは、仙台で’ほや’を食べたらしい。私は熱があってそれどころじゃなかった。せめて、笹かまぼこでも買えばよかった。
人心地ついたので、迷惑かもとは思ったが吉澤さんに電話してボブが乗ってるか聞いてみる。吉澤さんと宮坂さんは貧しい我々と違い速くて高いのぞみなのだ。「今からグリーン車見てくる!」との返事に笑う。が、念のためひかりのグリーン車も偵察に行く。はっきり言って大人とは思えない。
残念ながらひかりにボブ一行は居らず、宮坂さんからも、のぞみにはいない、との連絡を受ける。
リラックスして大阪までお喋り。西村さんがゆずパイを勧めてくれるが甘い物が入らない。新幹線名物の300円アイスもいらない。でもやっと家に帰れる。
楽しかったが感情面でも体調の点でもハードな旅だった。自分の布団でぐっすり眠れば回復するだろう。少しほっとする。でも反面、もう半分終わってしまったんだ、と焦るような寂しいような気持ちもあるのだ。心残りのないよう後半も楽しもう。
3月14日(水) 日本武道館
武道館には初めて行った。なんか、ドキドキした。今日で終りと思うからか、武道館が持つエネルギーにあたってるのか。今まで小さくも美しい会場を廻ってきたので、人が多いだけでも怖い。うすら寒い巨大な部屋の中のとってつけたようなステージ。まるで盆踊りのヤグラみたいに高い。これがあの有名な武道館かぁ。78年にBobがこのステージに立ってる姿を当時の写真とアルバム武道館で合成してみる・・・大分イメージ違うよなぁ。
向かって右手にある巨大な時計が7時になって、もう内臓全体がバクバク。緊張のあまり倒れてしまいそう。隣りの席の西村さんも今夜はちょっと変かも〜、うろたえぎみで、何かを探すかのように会場に目を走らせてる。
その隣りは妙にはしゃいだ男の子、後ろはムッツリした(ごめん)男の人たち、その後ろも、そのまた後ろも更にそのまた後ろもムッツリした男達が続く。・・・二度と振り返らんとこ〜。
照明が落とされ、やっぱアカン、心臓止まりそうや。ラリーが黒髪をなびかせて登場。ああBobが白い衣装を着てるぅ〜。なんか神々しい。大阪で見た時は「船長さん?」とちょっと思ったけど。
バンドメンバーも揃いのボルドー色スーツできめてる。(型は微妙に違うのだ!!)まるでBob、スーパースターやん!遠くに感じるわー。(実際、遠くて高い)そんな思いもDuncanが始まると飛んでいく。Duncanできたかー、さすがはBob!!Duncan&Bradyはこのツアーで大好きになった曲の一つ。
歌詞が聴きとれず曲の大意が判らない。聴きとれるのは”Doctor Said”とかだけだよ。後は意味不明。繰返し部分は”ビ〜ノ、ジャックトォーロ〜”ってきこえる。それも又愉し。とにかく渋くてカッコいいの〜。
なんと、後ろにいたムッツリした男の人たちが感激のあまり次々立上がっていくじゃないですか!みんなBobに会えてめっちゃ嬉しいんや〜。これで気兼ねナシに立てる!そう私達はアリーナのラリー側の席だったのだー。この日のうわずった気分には丁度いいかんじ、立つとよく見えるし。
ハープ付きTambourine Man。当然、武道館中が大熱狂(多分)。2曲目からやるなぁBob!一瞬、ロジャーマッギンのことを思い出したけど、すぐに忘却。
棒立ちのままBobがやるせなく歌うDesolation Rowを聴く。誰も座らない。(座ったら見えへんねんけど)何かの儀式に立ち会ってるような気もする。Time Outからの曲が2つ続いて意外だったが、嬉しい驚きは、次がMama ,You Been On My Mindだったこと。なんで〜?嬉しすぎる〜。4回目?これは、比較的ややレア曲では?Bob的に今これなのか?(Boots of Spanish Leatherはやってくれなかったなぁ、待ってたのに)でもこの全てをフッとばす美しさよ!!
Bobが”カバリン”っていうとこと”キュウ〜リアス”っていうとこを聴くと鳥肌たつ思いだ、毎回違うねんけど。ラリーの完璧な前奏ギターにからむ、なんか身体に力入らんようになるBobのギター。この感性がBob World!
なんとも云えぬ微妙な感情を表現するBobのヴォーカル。鼻抜け声がたまりません。よれねじれ声も〜。一時留め置き後ムセび泣きはいり声も〜。言語では命名困難なBobの多彩な神技的パフォーマンスの数々。この一瞬が捨て難い!たまらんわBob的表現も全てのコンサート中にふんだんにあったけど、それをもっと味わいたくって握ってると、次のたまらんわBobを逃してしまう!
どんどん捨て去って、一音一音付いていかなー。もったいないけど。思えばすごく贅沢な時間を過ごしてるねんわー。
最終日の初出に場内騒然!Baby Blue〜。起立したまま見上げて聴いてるので、ありがたさもなんか倍増。そして、この日本ツアー中に大好きになったTangled Up In Blue、この日も大喜び〜。私も西村さんもその隣りの知らない男の子も、各々自分が”素晴らし〜い”と思ったところで大拍手(”ブル〜”って言いおわって歌が途切れるところで、BobギターのとてつもなくBobギターなところで、もうたまらん〜ってときには歌のワンフレーズのために、その他賞賛ポイント限りなし!)Bobこの曲本間好きやねんなー、キ〜ポン キ〜ピンォ〜ン。私も大大大好きやで〜!
始まる前に”サウンドチェックでやっていた!”という証言多数のNot Dark Yet、しめやかに始まり荘厳な雰囲気を重ねていくこの曲に陶然。やっぱ、何かの儀式に立ち会ってるような気がするなぁ、地鎮祭とか・・・(何でや!)。棒立ちで聴いてるから?いや〜、なんか神秘的空気に満たされててん。とにかく素晴らしい日本初ナマDarkでした。でも、出てくる言葉は ”Bob、超かっこええ!!!”やね〜ん。
実は私、Drifter’sと Wickedを素早く見分けることが密かなテーマで、今夜が最後の力だめし!とばかり身構えてたんですけど、(横浜では、一節目の歌詞中”ウィークネス”か”ウィッキド メッセンジャー”かどっちだったか聞き逃してずっと漠然とした不安を感じることに・・・。でももう大丈夫!Drifter’sは、タンタ〜ラタンタ〜ラタンタ〜ラタンタ〜ラ、チャンチャンチャンチャンチャランラ〜ン、チャラララララ〜ラ〜ンで、Wickedはタンランランランタランラ〜ンですよね!皆さん)
始まったのはCold Irons Bound。Bob激シブ〜、よくドス?がきいてたわぁ。Rainy Day Women、ああ力が抜けていくこのイントロ・・・。この曲は天然THCなの〜?Bobの歌声で更に抜けながらも手を叩き喜ぶ。ああ、これで本編終りか・・・と落胆してる暇はないのだ〜!ヘラヘラしながらも踊り喜ぶのだ〜。
Bobが”エ〜ベバディ マスゲッストォ〜ン”と歌うとなんだかとっても嬉しくて大興奮してトビ跳ねてしまう。やっぱこれ呪文では?Bobの呪術にかかって、もうBobなしで生きていけない体になってしまうのかも〜。(最近、藤原紀香の”タレントに踊らされちゃダメよね”っていうJ−phoneのCMのことを思い出す。)このツアーでまた罪のない青少年が多数Bob中の道を歩むのね。怖い人だよ。
ああ、この整列タイムも今日で見納め・・・。Bobは武道館でもやっぱり後ろをむいたままゴソゴソしてる、何してるのBob?ラリーもトニーもみんな並んで待ってるのに。ピックやハープ類を所定の位置に置き直してるのだろうか?几帳面な性格なのだろうか?また、もしかして、みんな”頭の中で10Mississippiまで数える”とかの示し合わせがあるのだろうか?疑問は尽きない。
思い返せば大宮で、立ち去るBobを追いかけとりすがり、”スンマセンでした〜”と泣いて謝りたくなったのは私だけじゃないでしょう?そのくらいBobの顔は怖かった。
”サンキュー”のひとこともなく睨んでてんもん。けど、単に慣れたのか、Bobの表情が本当に和らいできたのか、いつのまにか違和感なくなってる・・・どころか!言葉も動きもないのに観客との交流として成立してるやん!しかもいい感じ。しかもBob的不思議感覚に満ち満ちてる!実際のところ、この横一列に並んで客をニラむ(?)儀式にどういう意図があったのかわからなかったけど・・・。
Bob達が帰ってくるまで、アンコールを求める熱狂的歓声の中ではあるけど、ちよっと座って休憩。息つく間もなくラリーが王子様的ロングヘアーとキラキラ笑顔で再登場、Bobも微妙にステキなフワフワヘアーと仏頂面で登場、Love Sickが始まった。13回聴いたなぁ、Rolling Stone,13回聴いたなぁ、If Dogs〜,13回聴いたなぁ!!!!不動のアンコール3点セット。
ちなみに、この日は遠かったため確認ができなかったけど、If Dogs Run Freeを歌うときBobは本当に犬のような顔をしていた。ずっと眉を下げて苦しげに歌い、”フリィ〜”の瞬間激しく眉を上げるBobの顔はまるで風雪雨霰に耐え抜いてきた老犬!(まぁそういう趣旨の歌じゃないんだけど)
Watchtowerで更に大盛り上がり〜。火に油を注ぐ始末!!西村さんもすっかり普通(目を輝かせ雄叫びをあげ狂ったように踊り喜ぶBobファン)に戻ってる。Bobかっこいい〜。何故かここらへんから、最後のギターの音のあたりでお辞儀するBobに合せて私も自然とお辞儀してしまうのでした、変だけど。
で、何?何?次の日替わりおたのしみ曲は何?驚愕の日本置き土産的初出曲かも〜。それとも、まさかHighwayやってBlowin’そして終わりに持ち込むつもりじゃ・・・。そんな・・・、もしそうだったらBob、貴方は人の皮を被った鬼だ〜!!!
数秒の間に激しく揺れ動く私のメンタルボディ、しかし次に始まったKnockin’ On Heaven’s Doorの美しさが動揺した私の心に平安と歓びをもたらし、優しく浄化してくれるのです。うつくしいの〜。ビュ〜ティフル〜。もいちど聴けるとは〜、ここで出すとは〜!憎いよっ。ウソ、憎くな〜い。ああ、ああ〜。
ちょっと名古屋で聴いたヴァージョンより若干今までのに近くなってるような気がする。でも、あの例のとこ、あの人智を超えた神秘的な展開、思わず顔が綻び腰力が抜け膝を折り曲げ手を叩き喜んでしまうほどのゴールデンな素晴らしさよ〜〜〜。
黄金郷ってここにあったのか〜!幸福感に包まれた会場内、響きわたるはもちろん”ハイゥエ〜シィックステ〜ゥゥワァァァァ〜〜ン”凄いBob!もう武道館は山火事状態、なのにまだ油を大量投入するのですか〜?もはや狂ったように腕を振り回し奇声を発しながらとび跳ね踊りまくるしかない!一緒に”ゥワワアァァァァァァン”と叫ぶしかない!95年には、何故この歌が人気あるのか判らなかった。今も全然判らな〜い、只大好きになっただけ!!
踊り狂ったのが良かったのか、スカッと抜けた精神状態でBlowin’In The Windを迎える。(実はゼェーゼェーいってた)Bobと一緒にいられるのはあと数分間、まさにこのツアーの締めだ、今度こそホントに神聖な儀式っぽい。
ここに立ってると全員がコーラスのところで大合唱してるように思える。(勿論そんなことはないんだろうけど)BabeでもReleasedでも何故か合唱はオリジナルヴァージョンでBobとちょっと輪唱入ったりして(どっちも譲らんよなぁ)面白かったりするねんけど、これは別、私も”〜ブロインザ ゥウウィ〜〜〜〜ン”って合唱し納め。
2001年日本ツアー最後の整列。信じられない。何でも終ってしまうんだ・・・。ありがとうBob。必死で手を振る。Bobも観客に”ありがとう〜”とテレパシーで言ってくれてるように感じる。すごい!僅かだが頷くような動きまで!
ああ、終わった。もしかして、もう一曲ぐらいという期待は外れ、人の波の中で一歩づつしか前に進めずちょぼちょぼ歩く。来日を知った時、全部行くかどうか2秒位迷ったけど、来てよかった〜。21世紀最初にBob Dylanを観れて縁起もよかった。
Bobも絶好調、威厳に満ちて力強く何かカワユく超かっこよく微妙に不思議、繊細で深みがあって怖い程神秘的で美しい(見た目も何故か97年より美しく若返ってたし)向かうところ敵なし状態!!Bobの未来は明るく輝いてるね。(お陰で私はもう治癒したと思ってたBob中がぶり返してしまった。)いつかは判らないけど次に観る時も素晴らしいコンサートになりますように。
日記 総合版 / 原田英茂版 / 安部奈穂子版 / 西村位津子版
注* ぷらっとこだま
JR東海が発売しているこだまの安売り切符。新大阪-東京が\9900(しかも1ドリンクつき)
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表紙 / 2001年日本公演 / 最近の公演